ダウン症のある中学生にみられる「言葉が出にくい」「不明瞭さ」の課題
ダウン症のあるお子さまは、知的発達や口腔機能の特性から、言葉が出にくい・発音が不明瞭といったコミュニケーション面の課題を抱えることがあります。
特に中学生になると、学校や家庭以外でのやり取りも増え、
- 「伝えたいことがうまく言葉にならない」
- 「相手に理解してもらえず、もどかしさを感じる」
といった場面が増えることがあります。今回は、視覚的代償(イラスト)を活用した訪問看護の支援事例をご紹介します。
目次
事例紹介|ダウン症 中学生 男の子
ご利用者さまの概要
- 年齢:中学生(支援学校)
- 性別:男児
- 診断名:ダウン症
- 主な課題:
- 言葉が出にくい
- 発音が不明瞭
- 音声だけの指示理解が難しい場面がある
評価|視覚情報の理解力と発語状況
訪問時のアセスメントでは、以下の特徴がみられました。
- 名称の理解が乏しい
- 単語の理解がある部分においても音声表出が追いつかない
- 聞いて理解するよりも「見て理解する」方が得意
- イラストや写真を提示すると反応が良い
- 発語が難しいときに、指差しなどの代償手段を使用できる
これらの点から、視覚的代償を活用することで、コミュニケーションを補いながら発語を促す支援が有効であると判断しました。
訪問看護での介入内容|イラストを用いた名称マッチング
① 視覚的代償(イラスト)の活用
言葉だけでのやり取りが難しい場面では、イラストカードや絵カードを使用しました。
- 日常生活に関わる物品(食べ物・身の回りの物・場所など)のイラスト
- 指差しで選択できる環境づくり
視覚情報を補うことで、理解のしやすさを高めました。
② 名称のマッチングによる発語支援
イラストを使いながら、以下のような段階的な支援を行いました。
- イラストと実物のマッチング
- イラストと文字(ひらがな)のマッチング
- 作業療法士が名称を発音し、一緒に声を出す
- 発語が難しい場合は、指差しや頷きでの反応も肯定
「言えなくても伝えられる」経験を積みながら、無理のない発語促進を行いました。
③ 成功体験を重視した関わり
発語が不明瞭な場合でも、以下の点を意識しました。
- 正確さより「伝えようとしたこと」を評価
- 言い直しを強要しない
- 楽しい雰囲気の中で取り組む
自己肯定感を下げない支援を心がけました。
まとめ|視覚的代償を活かしたダウン症児への訪問看護
ダウン症のある中学生のお子さまにとって、視覚的代償を用いた支援は、言葉の出にくさを補い、伝える力を育てる重要な方法です。
訪問看護では、以下のサポートが可能です。
- 一人ひとりの得意な感覚に合わせた支援
- 発語だけにこだわらないコミュニケーション支援
- ご家族と連携した継続的な関わり
言葉の不明瞭さやコミュニケーションにお悩みの方は、訪問看護による支援をぜひご検討ください。

